こんなときどうする!?突然の休職者への対応
- mizutani-tak
- 2017年6月4日
- 読了時間: 3分
※本ブログでは、眠くなるような法律論ではなく、日々の経営の中でのリアルな出来事にフォーカスしています。
先日、こんな事案がありました。
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株式会社Oで働くSは会社を辞めようと考えていた。
が、その動機に問題があった。というのも、他の従業員Cから「一緒に辞めて会社を立ち上げよう」という誘いがあり、3人が一斉に退職するというものだったのである。
Sから会社へは事前に「○月○日」に辞めたいという意思が伝えられ、会社はそれを了承した。このまま退職日を迎えて会社としても新しいスタートをきる、そんな矢先、突然Sが入院した。
何が起きたのか。
実は、Sは先に退職したCから「今のうちに見込みの客を見付けておけ」とのプレッシャーを受け続けており、そのプレッシャーに耐えられなくなり、Sは精神的に病んでしまったのである。結局、入院中に予定日を迎え退職することとなった。
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さて、この事例におけるポイントはどこでしょうか?
今回のケースでは次の3点から考えてみたいと思います。
1.家族への対応
この事例では僕が面談を実施しましたが、Sのご家族は背景をある程度把握しており、Cに対する怒りはあるものの、会社に対しては不満を持っていなかったことは幸いでした。
ただ、このように理解力のあるケースばかりではないので、退職に至った経緯などの事実を記録しておくなど、会社としてやることはやったという姿勢を如何に示すことができるかが重要となります。
2.「会社都合の退職にしてほしい」という要望
本人都合では退職後に雇用保険から受給できる「基本手当(一般的には失業手当といわれるもの)」がすぐにもらえないので、会社都合(解雇)にしてもらうことは出来ないか、と要望を受けることがあります。
気持ちは分かりますが、解雇という事実は会社として不都合が生じるので、最終的には経営者の判断・配慮となりますが、安易に受け入れずしっかりと検討すべきでしょう。
3.もし就業規則に休職に関する規定がなかったら?
ここが一番のポイント。
今回の事例では事前に本人から退職の意思が告げられ、退職日も決定していたため大きなトラブルにはなりませんでした。
しかし、もし何らかの事由で従業員が私傷病により就業が長期不能となった場合、会社としてどのように対処すべきか。理由にもよりますが、会社として許容できないものであれば、先手で対応できるようになっていることが重要です。
そのためには何が必要か。
まず必要となるのが、就業規則における休職に関する定めです。加えて気を付けなければいけないのは、単に休職期間を決めるだけ(要はカタチだけ)では、いざという時に様々なケースに適用することが出来ず、意味をなしません。
・どのようなケースで休職を命じるのか、
・いつまで休職を認めるのか
・休職期間中の取り扱い
・復職を認める条件、会社が医師に状況を確認するケース
・休職期間が経過しても復職出来ない場合に自然退職となる旨の定め
など、事由の発生から、復帰もしくは退職までに想定される一連の流れを定めていなければ、会社として対処が困難になります。
休職という制度は会社にとって義務ではないので、経営者の方針や想いが制度として形作られます。また、産休や育休期間と違い、休職期間中は社会保険料が免除されないので、会社として配慮できる範囲をあらかじめはっきりさせておくという目的もあります。
このような目線で捉えられる経営者は、就業規則の作成義務(従業員10名以上)云々関係なく、就業規則が必要と判断されることが多いですね。
大きなトラブルに発展する前に備えておきたいものです。

社会保険労務士 経営IT化支援アドバイザー
水谷 拓郎